写真家・フォトグラファーの撮影プランの見せ方

作品を見て「この人に撮ってほしい」と思っても、プランの中身が分からないと相談まで進めません。比べやすいプランの表と、あとで行き違いにならないための書き方を紹介します。

写真家やフォトグラファーのホームページでは、作品のページに力を入れる一方で、撮影プランのページは「料金はお問い合わせください」だけ、ということがよくあります。依頼を考える人は、作品で心が動いたあと、「自分の頼みたいことは、どのプランに当たるのか」「何がもらえるのか」を確かめます。

この記事では、撮影プランのページを、比較表、含まれるもの・含まれないもの、納品の形式、データの使える範囲、キャンセル規定の順に整理します。どれも、撮影の後で「思っていたのと違う」を防ぐための項目です。

プランは3つ前後にして、比較表で見せる

プランが多すぎると選べず、1つだけだと自分に合うか判断できません。よく受ける依頼をもとに、3つ前後に分けるのが目安です。プランの名前は、「ライト」「スタンダード」のような段階の名前より、使う場面が分かる名前のほうが選びやすくなります。

項目プロフィール撮影家族の記念撮影お店・商品の撮影
こんな方に名刺やSNS、仕事用のプロフィール写真がほしい方七五三や誕生日など、家族の記念を残したい方ホームページや印刷物に使う写真がほしいお店
撮影時間約〇分約〇分約〇時間
撮影場所スタジオ、または屋外の1か所ご自宅や公園など1か所お店の中
納品の枚数〇枚〇枚以上〇枚以上
商用での利用仕事のプロフィールに使えます個人で楽しむ範囲お店の宣伝に使えます
料金(税込)〇〇円〜〇〇円〜〇〇円〜

表は横に長くなりやすいので、スマホでは横にスクロールして読める形にするか、プランごとのカードに分けて縦に並べます。料金を載せない場合も、「撮影時間」「納品の枚数」などの中身は載せましょう。料金表のデザインの考え方は料金表の見せ方で紹介しています。

含まれるもの・含まれないものを分けて書く

撮影の後の行き違いで多いのが、「それも料金に入っていると思っていた」というものです。プランごとに、含まれるものと含まれないものを並べて書いておきます。

  • 含まれるもの:撮影、写真の選定、明るさや色の基本的な調整、データの納品、〇km以内の出張
  • 含まれないもの(別料金):肌や背景の細かな修正、撮影時間の延長、追加の撮影場所、遠方への交通費、ヘアメイク、スタジオや会場の利用料、印刷やアルバム

別料金のものは、「オプション」として金額の目安と一緒に一覧にしておくと、依頼する人が予算を考えやすくなります。会場の利用料のように、写真家ではなく会場に払うものがある場合は、そのことも書きます。

納品の形式を具体的に書く

「データでお渡しします」だけでは、受け取る側は何が届くのか分かりません。次の点を書いておきましょう。

項目書き方の例
渡し方オンラインのダウンロードページでお渡しします
ダウンロードの期限ページは公開から〇日間ご利用いただけます。期限までに保存してください
ファイルの形式JPEG形式。Webや印刷に使いやすい大きさでお渡しします
納品までの目安撮影日から〇週間ほど
選んでいない写真写真家が選んだものをお渡しします。撮影したすべての写真はお渡ししていません
データの保管納品後〇か月は保管します。それ以降の再納品はお受けできない場合があります

特に「撮った写真をすべてもらえるのか」は、よく聞かれる点です。お渡しする写真をどう選ぶのかを、あらかじめ書いておきましょう。

データの使える範囲と著作権の扱いを明記する

写真の著作権は、特別な取り決めがなければ、基本的には撮った人にあります。依頼主が写真を受け取ったからといって、どんな使い方をしてもよいとは限りません。そのため、プランごとに「どこまで使えるか」を明記することが大切です。

  • 個人で楽しむ範囲(家族での共有、個人のSNS)
  • 仕事での利用(ホームページ、名刺、チラシ、広告)
  • 写真の加工やトリミング(切り抜き)をしてよいか
  • 写真家の名前(クレジット)の表記が必要かどうか
  • 写真家が自分の作品として、ホームページやSNSに載せてよいか

最後の項目は、写真家の側の使い方です。作品として載せたい場合は、写っている人の了承が必要です。「作品として掲載してよいか、お申し込みのときに伺います」と書き、掲載しない選択肢も用意しておくと、依頼する人が安心できます。

著作権そのものを依頼主に渡すのか、使い方を許すだけなのかは、ことばの上では似ていても扱いが大きく違います。どちらにするかは契約で決めることなので、ページには考え方の要点だけを書き、詳しい条件は申し込みのときに書面で示すとよいでしょう。

著作権の基本的な考え方は、文化庁の案内が参考になります。利用の範囲や権利の扱いを契約でどう定めるかは、専門家への相談をおすすめします。

キャンセル規定と日程の変更

撮影は日付と場所を押さえる仕事です。キャンセルや日程の変更の扱いを、申し込みの前に読める場所に書いておきます。

例文:キャンセル規定

撮影日の〇日前までのキャンセルは無料です。それ以降は、撮影料金の〇割をキャンセル料として頂戴します。雨天で屋外の撮影ができない場合は、日程の変更を無料で承ります。

天候、体調不良、お子さまのぐずりなど、撮影ならではの事情への対応も書いておくと、依頼する人の不安が減ります。キャンセル料は、実際に生じる損失を考えて、無理のない範囲で決めましょう。高すぎる金額は、あとで問題になることがあります。

キャンセル料など契約の条件の考え方については、消費者庁の消費者契約法の案内が参考になります。

よくある質問

料金を載せずに、プランの中身だけ載せてもいいですか?

かまいません。撮影時間、納品の枚数、使える範囲が分かるだけでも、依頼する人は自分に合うプランを選べます。そのうえで「〇〇円〜」のような目安を一つでも載せると、予算が合うかどうかの見当がつき、相談がさらに気軽になります。

プランに当てはまらない依頼は、どう案内すればいいですか?

比較表の下に「上記にない撮影もご相談ください」と書き、相談フォームへの入口を置きます。フォームでは、撮りたいもの、使い道、希望の時期、おおよその予算を聞けるようにしておくと、最初の返信で具体的な提案ができます。

撮影後に、写真の使い道が増えたと言われたら?

個人で楽しむ範囲のプランで撮った写真を、あとから広告に使いたい、という相談を受けることがあります。追加の利用について、料金や手続きの考え方をページに書いておくと、依頼主も相談しやすくなります。具体的な条件は、そのつど書面で取り決めましょう。

まとめ

撮影プランのページは、3つ前後のプランを比較表で見せ、含まれるもの・含まれないもの、納品の形式、データの使える範囲、キャンセル規定を書いておくことで、依頼する人が自分で選べるページになります。どれも、撮影の後の行き違いを防ぐ項目です。

作品のページを含めたサイト全体の構成は写真家・クリエイターのホームページ制作で、作品の見せ方の例は制作サンプルで紹介しています。