工務店・リフォーム会社の施工事例ページの書き方

施工事例は、工務店やリフォーム会社のホームページでいちばん読まれるページです。写真を並べるだけで終わらせず、「うちも頼んでみたい」と思ってもらえる1事例の書き方を、順番に紹介します。

家づくりやリフォームを考えている人は、依頼先を決める前に、その会社がこれまでにどんな工事をしてきたかを確かめます。施工事例のページは、会社の腕前と考え方が一度に伝わる場所です。

ところが実際には、完成写真が数枚と「〇〇市 K様邸」という題名だけ、という事例ページも少なくありません。この記事では、1つの事例を「悩み → 提案 → 工事内容 → 期間 → 完成」の順に書く構成と、写真の撮り方・並べ方、掲載の了承の取り方、誇張しない書き方をまとめます。

1事例は「悩みから完成まで」の5段で書く

読む人が知りたいのは、「自分と似た悩みを、この会社はどう解決したのか」です。写真だけではその過程が伝わりません。次の5段で書くと、短い文章でも流れが伝わります。

段書くこと例(架空のリフォーム)
1. お客さまの悩み工事の前に困っていたこと、家族構成や暮らし方築年数のたった台所が暗く、冬は足元が冷える。共働きで、料理を二人でする機会が増えた
2. 提案どんな案を出したか、なぜその案にしたか壁付けの台所を対面式にし、窓を一つ大きくする案を提案。二人で並べる通路の幅を優先した
3. 工事内容主な工事、使った素材や設備の種類間取りの変更、床の断熱、内窓の設置、照明の配置の見直し
4. 期間工事にかかった期間、住みながらの工事かどうか工事期間は約〇週間。住みながらの工事で、台所が使えない期間は〇日間
5. 完成完成後の様子、お客さまの感想明るくなり、朝の支度が二人で同時にできるようになった、とのお声をいただいた

各段は2〜4文で十分です。長い文章よりも、悩みと解決が対になっていることのほうが大切です。1の悩みで書いたこと(暗い、寒い、二人で料理)が、5の完成で一つずつ解決されているかを確かめましょう。

題名は「誰の、どんな工事か」で

「K様邸」だけでは中身が分かりません。「暗くて寒い台所を、二人で立てる対面キッチンに」のように、悩みと結果が分かる題名にすると、一覧から選んでもらいやすくなります。地域名や、新築・リフォームの別、工事の場所(台所、浴室、外壁など)は、題名の下に小さく添えると探しやすくなります。

一覧ページは「工事の場所」で探せるように

事例が増えてきたら、一覧ページで絞り込めるようにします。家づくりやリフォームを考える人は、「浴室のリフォームの例が見たい」「平屋の新築の例が見たい」のように、自分の工事に近いものを探します。分け方は、次のような軸が分かりやすいでしょう。

  • 新築か、リフォームか
  • 工事の場所(台所、浴室、トイレ、外壁・屋根、間取りの変更など)
  • 悩みの種類(寒さ・暑さ、段差、収納、明るさなど)

一覧には、完成写真1枚、題名、工事の場所、工事期間を並べると、見比べながら選べます。軸を細かくしすぎると、どの分類にも事例が1件しかない状態になるので、事例の数に合わせて増やしていきましょう。

費用は載せる?載せない?

事例の費用は、載せると具体的なイメージが伝わります。一方で、工事の条件が違えば金額も変わるため、ほかの家にそのまま当てはまるわけではありません。載せる場合は「工事費 〇〇円(税込)」に加えて、「建物の状態や仕様によって金額は変わります」と書き添えます。お客さまの了承も必要です。

写真の撮り方と並べ方

施工事例の写真は、プロのカメラマンに頼まなくても、いくつかのコツで見違えます。

撮るときのコツ

  • 工事前と同じ位置・同じ向きで、完成後も撮る。比べたときに変化がはっきり伝わります
  • 部屋の角に立ち、少し低めの位置から撮ると、広さが伝わりやすくなります
  • 照明をつけ、カーテンを開けて、昼間の明るい時間に撮ります
  • 工事中の写真も残しておきます。断熱材や下地など、完成後に見えなくなる部分は信頼の材料になります
  • 生活用品が写り込まないよう、撮る前に片付けておきます

並べる順番

写真は、文章の5段に合わせて並べます。最初に完成後のいちばん良い1枚を大きく見せ、その下で「工事前 → 工事中 → 完成」の順に並べると、読みながら変化を追えます。工事前と完成後を左右に並べる見せ方は、スマホでは縦に並ぶことが多いので、写真の下に「工事前」「完成後」と文字で添えておきましょう。

写真の枚数が少ない事例でも、構成がしっかりしていれば十分に伝わります。写真がそろわないときの考え方は、写真がないときのホームページづくりも参考にしてください。

掲載の了承を取る

施工事例は、お客さまの家そのものです。掲載する前に、必ずお客さまの了承を取りましょう。工事の契約や引き渡しのときに、事例として紹介してよいか、どこまで載せてよいかを確かめておくとスムーズです。

確かめておきたいのは、次のような点です。

  • 写真を載せてよいか、どの部屋の写真までよいか
  • お客さまの名前(イニシャルも含む)や地域名を出してよいか
  • 費用や工事期間を載せてよいか
  • 感想を、いただいた言葉のまま載せてよいか
  • お客さまやご家族が写った写真を使ってよいか

外観の写真は、表札や番地、車のナンバー、周りの建物から、家の場所が分かってしまうことがあります。了承をいただいた場合でも、特定につながるものは写さない、ぼかすなどの配慮をしましょう。掲載をやめてほしいと言われたときに、すぐ外せるようにしておくことも大切です。

ポイント

了承の内容は、口頭だけでなく、メールや書面で残しておきましょう。何年かたってから「どこまでよいと言ったか」を確かめるときに役立ちます。

誇張しない書き方

施工事例は会社の宣伝でもあるため、つい良く見せたくなります。ただ、誇張は後で信頼を失う原因になります。

  • 写真の色や明るさを、実物と違って見えるほど加工しない
  • ほかの会社が手がけた部分や、ほかの事例の写真を混ぜない
  • 「光熱費が半分に」のような効果は、根拠のある範囲で、条件とともに書く
  • お客さまの感想は、言っていないことを足さない。長い場合は、意味を変えない範囲で短くする

「完成直後の写真です」「家具は撮影用に配置しています」のような一言を添えるのも、誠実な見せ方の一つです。

広告の表示(誇大な表現や、実際より良く見せる表示)については、消費者庁の景品表示法の案内をご確認ください。具体的な表現に迷う場合は、専門家への相談をおすすめします。

よくある質問

事例はいくつあれば公開していいですか?

数よりも、1つずつの中身が大切です。最初は数件でも、悩みから完成まで丁寧に書いた事例があれば十分に伝わります。工事が終わるたびに1件ずつ足していきましょう。

小さな修理の工事も事例にしていいですか?

はい。水回りの修理や手すりの取り付けのような小さな工事を探している人にとっては、むしろ参考になります。小さな工事は、いくつかまとめて1ページにする方法もあります。

まとめ

施工事例のページは、「悩み → 提案 → 工事内容 → 期間 → 完成」の5段で書き、写真は同じ位置からの工事前と完成後をそろえ、文章の流れに合わせて並べます。掲載の了承は工事の段階で取り、記録に残しましょう。誇張せず、条件とともに正直に書くことが、長いお付き合いの始まりにつながります。

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