小さなお店でもプライバシーポリシーは必要?

「うちは小さなお店だから関係ない」と思われがちなプライバシーポリシー。でも、フォームで名前やメールアドレスを受け取るなら、考えておきたいことがあります。基本の内容を分かりやすくまとめました。

ホームページの下のほうにある「プライバシーポリシー」というリンク。大きな会社のものというイメージがあり、「個人のお店にも必要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、プライバシーポリシーとは何か、小さなお店でも用意したほうがよい理由、載せる内容の基本、そして問い合わせフォームとの関係を紹介します。法律の細かな解釈ではなく、まず押さえておきたい考え方を中心にまとめています。

プライバシーポリシーとは

プライバシーポリシーとは、お店や事業者が、お客さまの個人情報をどのように集め、何に使い、どう管理するかをまとめて公開する文書のことです。「個人情報保護方針」「個人情報の取り扱いについて」などの名前で載せることもあります。

ここでいう個人情報とは、名前、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人が分かる情報のことです。問い合わせフォームや予約フォームに入力してもらう内容の多くが、これに当たります。

小さなお店にも関係がある理由

日本には、個人情報の扱い方のルールを定めた「個人情報保護法」という法律があります。この法律は、会社の大きさに関係なく、仕事で個人情報を扱う事業者に広く関わります。個人で営むお店や、ひとりで仕事をしている事業者も例外ではありません。

個人情報保護法では、たとえば次のようなことが求められています。

  • 個人情報を何のために使うのか(利用目的)を、できるだけ具体的に決めること
  • 利用目的を、本人に知らせるか、公表しておくこと
  • 決めた目的の範囲を超えて使わないこと
  • 本人の同意なく、原則として他の人や会社に渡さないこと
  • 本人からの問い合わせや求めに対応できるようにしておくこと

プライバシーポリシーは、こうした内容をまとめて公表する方法として、広く使われています。ホームページに載せておけば、お客さまはいつでも確認できますし、お店にとっても「うちはこう扱っています」と説明しやすくなります。

ポイント

プライバシーポリシーは、法律への対応であると同時に、お客さまへの安心材料でもあります。「この情報は返信のためだけに使います」と書いてあるだけで、フォームに入力するときの不安はずいぶん小さくなります。

プライバシーポリシーに載せる基本の内容

お店の規模や情報の扱い方によって、書くべき内容は変わります。ここでは、小さなお店でまず考えておきたい基本の項目を紹介します。

項目書く内容の例
事業者の情報屋号、代表者名、所在地など
取得する情報名前、電話番号、メールアドレス、予約の希望日時など
利用目的問い合わせへの返信、予約の確認、ご来店の連絡など
第三者への提供本人の同意なく第三者に渡さないこと、例外となる場合
管理の方法情報を適切に管理し、漏れたりなくなったりしないよう努めること
問い合わせ窓口個人情報に関するお問い合わせや、開示などの求めの受付先
アクセス解析などアクセス解析ツールなどを使っている場合はその旨
改定について内容を変更することがある旨と、制定日・改定日

取得する情報

フォームや予約、電話などで、どんな情報を受け取るかを書きます。実際に受け取っている情報と合わせることが大切です。フォームの項目を増やしたり減らしたりしたときは、プライバシーポリシーも見直しましょう。

利用目的

受け取った情報を何に使うかを、具体的に書きます。「事業活動のため」のようなあいまいな書き方ではなく、「お問い合わせへの回答のため」「ご予約の確認とご連絡のため」のように、お客さまが読んで分かる書き方を心がけましょう。あとから新商品の案内やメールマガジンに使いたい場合は、その目的も書いておく必要があります。

第三者への提供

「第三者」とは、お店以外の人や会社のことです。個人情報保護法では、本人の同意なく個人情報を第三者に渡すことは、原則としてできません。法令にもとづく場合など、例外もあります。プライバシーポリシーには、原則として同意なく第三者に提供しないことを書いておくのが一般的です。

問い合わせ窓口

お客さまが「自分の情報を確認したい」「消してほしい」と思ったときの連絡先を書きます。電話番号やメールアドレス、受付の方法などです。小さなお店であれば、通常の問い合わせ先と同じでもかまいません。

アクセス解析ツールについて

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツール(ホームページを見た人の数や、どのページが見られたかを調べる道具)を使う場合は、その旨と、情報の集め方の概要を書いておくのが一般的です。ツールによっては、利用規約で、使っていることをホームページ上で知らせるよう求めているものもあります。

問い合わせフォームとの関係

プライバシーポリシーが特に関わってくるのが、問い合わせフォームや予約フォームです。フォームは、お客さまから直接、個人情報を受け取る場所だからです。個人情報保護法では、フォームのように本人に直接書いてもらって情報を受け取る場合、あらかじめ利用目的をはっきり示すことが求められています。

  • フォームのすぐ近くに、プライバシーポリシーへのリンクを置く
  • 「入力いただいた情報は、お問い合わせへの返信のために使います」など、利用目的をフォームの近くにも短く書く
  • 必要に応じて「プライバシーポリシーに同意する」チェック欄を設ける
  • 返信に必要のない情報は、最初から聞かない
  • 受け取った情報を保存する場所(メール、表計算ソフトなど)を決め、関係のない人が見られないようにする

聞く項目を少なくすることは、お客さまの入力の負担を減らすだけでなく、お店が管理する情報を減らすことにもつながります。フォームの作り方は問い合わせが増えるボタンとフォームの作り方で詳しく紹介しています。

作るときに気をつけたいこと

他のホームページの文章をそのまま使わない

他のお店や会社のプライバシーポリシーを、そのままコピーするのはやめましょう。文章には著作権がある場合がありますし、何より、自分のお店の実際の扱い方と合っていない内容になってしまいます。書いてあることと実際にしていることが違うと、かえって信頼を損ねます。

載せる場所

プライバシーポリシーは、独立したページとして作り、すべてのページの下(フッター)からリンクするのが一般的です。フォームのあるページからは、特に見つけやすくしておきましょう。ホームページに載せておきたいその他の項目は、小さなお店のホームページに載せるべき10項目をご覧ください。

定期的に見直す

フォームの項目を変えた、メールマガジンを始めた、予約の方法を変えた。こうしたときは、プライバシーポリシーの内容も合わせて見直します。改定したら、改定日を更新しておきましょう。

この記事は、個人情報保護法にもとづく一般的な考え方を紹介したものです。法律の詳しい内容やガイドラインは、個人情報保護委員会のホームページで確認できます。扱う情報の種類が多い場合や、ネットで販売を行う場合など、ご自身のケースで判断に迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。

まとめ

小さなお店でも、フォームや予約で名前や連絡先を受け取るなら、個人情報の扱いは関係してきます。取得する情報、利用目的、第三者への提供、問い合わせ窓口。この基本を、自分のお店の実際の扱い方に合わせて書き、フォームの近くからリンクしておきましょう。お客さまに安心して連絡してもらうための、大切な土台になります。